近年、中国による台湾有事発生の可能性が高まっていると言われています。
一部の学者さんの説では、2027年までには30パーセントの確率で起こるんだとか。
中国からすると、台湾は自国の一部なので強引な手を使ってでも共産党政府の統治下に置きたいという事なのでしょうね。
一口に台湾有事と言っても武力侵攻のようなハードなものから、周辺海域を船が通る際に中国の許可が必要になる場合など様々なケースが想定されています。
しかしどの場合でも、高い確率で南シナ海の封鎖が行われるだろうと言われているのです。
日本の今後にも甚大な影響を与えかねない南シナ海封鎖について考えてみましょう。
南シナ海封鎖とは何でしょうか。
ぼくは日本人なのでやはり身近な日本への関心が強いので、この文章の中では南シナ海封鎖という言葉を日本への影響を中心に考えて使わせてもらいます。
「南シナ海封鎖とは、南シナ海を経由する日本への物流がとどこおる状態」と定義させてもらいますね。
中国が明示的な軍事行動を起こさなくても、他国から「最近あの海域は中国の軍艦がすごく多いな、きな臭いな」と目される状況になっただけで船の所有者はその海域を通ることを嫌がるようになります。また船の運行には保険が掛けられているのですが、その保険金も高騰してしまうので事実上南シナ海を通って物を運ぶことは出来なくなってしまうのです。
例えば中国が「台湾帰りの旅行者から新型の感染症が確認された!感染拡大を食い止める為に安全確認が取れるまでは台湾周辺海域の人の行き来を停止します!!!」と発表しただけでも、その真偽がどうであれ、南シナ海封鎖が行われたことになります。
南シナ海って日本にとってどんなところか説明しましょう。
南シナ海は台湾の南の海域です。日本からは距離もあってなじみがないのですが、日本に運ばれる輸入品の大多数が南シナ海を経由しています。日本は資源がほとんど出ないこともあり色々なものを海外からの輸入に頼っています。また逆に工業製品などたくさんのものを輸出もしていますが、その際にも南シナ海は重要な航路となっています。
特に日本にやってくる石油の9割近くが南シナ海を通ってくるそうで、日本の生命線と言っても過言ではないですね。
それでは、実際に南シナ海封鎖が行われたらどうなるか見ていきましょう。
まずは、経済と金融についての影響から考えていきます。
あとで詳しく書きますが、南シナ海封鎖は日本の産業の競争力をものすごく下げます。
ではそれを見た海外の人はどういう行動をとるだろうか。
日本の円を持っている人はそれを売って、アメリカドルなど安全な通貨に換えます。
そうすると円安になります。ただでさえ海外からの物は届きにくくなっているのに、せっかく届いた輸入品についても、その決済代金は急激に値上がりしてしまうことになります。
そして外国の人は日本製品は円安で格安だからどんどん買いたい!というけれども売れるものを作れません。
また日本の会社の株を持っている人はそれを売ります。そうすると株価が暴落します。
日本の会社はただでさえ資材不足や日本人の購買力低下や輸出の難しさで大変なのに、そこで持ちこたえる為の資金が底をついて倒産も相次ぐことになるかもしれません。
そして日本の国債を持ってる外国人は、国債価格が下がる前にちょっとでも早く売ろうとするので、日本国債はどんどん値下がりしてしまい日本政府のやりくりも大変厳しくなります。最悪のパターンである債務不履行、デフォルトという事態もすぐには起こらないとしても南シナ海封鎖が長期化すれば視野に入ってきます。
それらの経済状況の悪化が、以下に見ていく諸問題の解決を難しくします。
それらは同時発生的、相互依存的に負の循環をくり返してどうにもならなくなっていきます。ずぶずぶずぶ・・・・。
では具体的影響としてまずはエネルギーについて考えます。
南シナ海止まればが石油と天然ガスが届かなくなります。石油は国が多少は備蓄しているそうですが、それにも限界があるのでいずれ底をつきます。また原子力発電にはウランが必要ですが、輸入できなくなればウランもなくなってしまいます。なので発電ができなくなってしまいます。日本の発電は化石燃料やウランにまだまだ大部分を頼っているので、再生可能エネルギーだけでは日本人の生活や産業を支えるためには全く足りないのが現実です。計画停電などが行われるでしょうがいずれは電化製品一切が使えなくなることもあり得ます。その時には当然ネット機器も意味をなさないでしょう。ハンドルの付いた手回し発電ラジオは使えるかな。ラジオ放送が継続されていればいいですね。
それからガソリンもなくなります。トラックが走らなくなります。
物流が機能しなくなるのです。工場は仮に商品を製造できたとしても、運ぶ手段がないので工場の周囲でしかそれを活用・消費は出来なくなってしまいます。案外水運の価値が見直されるかもしれません。
また人の移動も非常にコストが高くなってしまいます。指定を受けた車両や緊急車両以外はガソリンの配給は受けられないだろうし電車もいつまで走っているかわからないし、人の長距離移動はとても難しくなるのではないでしょうか。
次に製造業について考えます。
日本の製造業は最先端の座を他国に譲ってしまった品目も多いですが、やはり今でも高付加価値の商品を多く製造・輸出しています。労働力の安い国で作った部品や材料を輸入して完成品、あるいは高度な部品にして再度輸出するという国際的分業を前提としたビジネスモデルが多くとられています。
けれども南シナ海封鎖によってそれらが届かなくなります。特に先端工業に必須の部品である半導体は日本はその大半を台湾から輸入しているのです。それが途絶えることは日本の製造業の壊滅を意味します。また先述のように何とか商品が完成できたとしてもそれを輸出する事もできない状況です。燃料の途絶、船舶の不足、港湾システムの停止が考えられます。
食料についても考えてみましょう。
日本の食料も多くを輸入に頼っていますが、唯一自給できているのがいわずと知れたお米です。ただ日本のお米の生産は、肥料と除草剤、そして大型機械の使用を前提としています。肥料も除草剤もそしてトラクターの燃料も手に入らなくなったら、どれだけ減反廃止で面積を増やそうが全然追いつきません。無肥料無農薬でお米を生産する自然農法も研究・実践はなされていますが、代掻きの回数やタイミング、水管理の調整などだけで雑草の発生を抑えるには熟練の経験と知識が必要で、現在の生産量を大型機械なしで育てるのは至難の業です。
長期的に考えれば、日本人のうち探求心のある人全員が水田の水管理をマスターして米作りに従事し、残りの全員が土手の草刈りやサツマイモ栽培に従事するようにできたならば、肥料や燃料等の輸入がなくても日本人一億二千万人が食べていける食料を生産することは可能かもしれません。機械が使えず大規模化ができないので高度な栽培技術を持った人が大勢大勢必要なのです。でもそんな社会ができるまでに早くて数年はかかるでしょうから、それまでの間にどれだけ凄惨な事態になるかは想像を絶します。
畜産は真っ先に壊滅します。日本は家畜のエサはほぼ自給できていないので、牛や豚や鶏については飼料が来なくなることが確定すると同時に処分させてもらって、日本人が口にできる最後のお肉としてありがたくいただくのがベストです。現在飢餓状態にあると言われているパレスチナのガザ地区では家畜の飼料も人間が食べていると言われていますが日本でもきっと同じことが起こるでしょう。
漁業もほとんどできなくなります。石油を必要とする船は一切使えなくなります。漁業資源量は回復して海の魚も増えるかもしれません。それ自体はうれしい事ですが、それを食べれば飢えずにすむ人が、魚をとる手段がないために空腹に悩ませられるのは何ともやるせない事です。話はちょっとそれますが、星空もきれいになるでしょうね。工場が操業停止して車も走らなくなった日本には、私たちが見た事がなかったほどの青空が広がるようになる可能性もあります。
イノシシやシカなど自然の獣たちも人間によって食い尽くされることでしょう。最近よくニュースになるクマも含めて、現在増えすぎて問題となっている害獣はなりをひそめ、それどころか絶滅の危機におちいるでしょう。
入手可能な食料の絶対量が足りなくなった日本人は、生態系の保護をとるか人命の維持をとるかという究極の選択を迫られますが、そこで前者を選ぶ人はいないですよね。野生のクマ、イノシシ、シカはここ10年で見納めとなる可能性すらあるのです。
食品工場は、原料の在庫があれば停電になるまで生産できるかもしれません。しかし日本の製造業は在庫を少なくすることで低コストを実現できている現状があります。なので輸入が止まった時にはすぐさま製造もできなくなるでしょう。そしてもし製造ができても、それを運ぶ手段がない。工場に食料があふれてもそれを運べない事態も考えられます。
そんなわけで食品会社が倒産してしまったならば、その後例え材料の輸入が再開されたとしても以前までと同じ生産を再開するには時間がかかることにもなります。
また、家庭ではガスや電気などの調理熱源もないので、もしも乾麺や小麦粉、それに米や里芋さつま芋などがたくさんあったとしてもそのまま食べることは難しいかもしれません。
燃料として山にある枯れ木が薪として使われますが、それでは到底足りないので立ち木も無計画に伐採されて景観ははげ山だらけになるでしょう。
食料は政府が管理する配給制になり不公平がないように割り当てられるでしょうが、食料生産者にしてみれば見返りが少ない政府への供出よりも高値が付く闇市に売ろうとするのが自然な流れになりそうです。確実に供出させようとする政府側と、なんとか闇市に売って暴利を得ようとする生産者とのせめぎあいが起こるかもしれません。
取引の対価は、はじめのうちは通貨が使われます。預金残高や電子マネーなどは意味をなさないので現金を持っている人だけがお金を使えます。しかしそれもどんどん高騰していきます。食料品をはじめとする物価は、途方もなく値上がりするでしょう。
お金持ちしか食べれないという時が来るかもしれません。
そしてそのまま続けばどんなにお金を持っていても食べ物が買えない時が来ます。食べ物がどこにも全くなければ、現金さえ意味をなさなくなります。その際に金(ゴールド)や不動産などの現物資産が価値を保つのかどうかはぼくにはよくわかりません。
治安は悪くなるでしょう。盗難は多発するかもしれません。自警団が見回るようになるかもしれませんね。特に畑の作物が狙われることが予想されます。
日本という国家組織はどうなるでしょうか。
電気がなくなった世界で、電気がなくなった状況にまだ適応できていない段階で、例えば選挙などは出来るでしょうか。
乏しい資源(例えば太陽光から得られた電力など)を優先的に何に割り振るかも決まっていない状況では、日本全国一律の情報通知すら難しいのかもしれません。電気がない時代の通信・・・。アメリカの軍用機を使って上空からビラを撒いてもらうくらいしか思いつかないのですが、電気がなくても通信できる方法は科学が進んだ現代では何かあるのでしょうか。ちょっと思いつきません。そんな中で政府が政府としての機能を果たしていけるかは疑問です。東京で少人数が会合して(マイクもない中ですが)何かを決めたとして、その通知も実施も困難を極めます。
裁判なんかも適切な情報公開をしながら開くことは難しくなるかもしれませんね。司法現場も混乱することは必至でしょう。
人々の不満は高まるでしょうが、クーデターとかは起こるでしょうかね。現代日本の国民性としては政治にどれだけ不満がたまっても行動を起こす人は少数派です。しかも南シナ海封鎖の場合は、政治家に対してはそういう状況になる事を許したという批判が集中することは間違いないですが、それはまあ八つ当たりみたいなもので、冷静な人からしたらそんなことをしても意味がないと分かりきっているでしょう。
最初に上げた例でいうならば、中国が「新型感染症が出たから封鎖!」と言い出した時に、「なんでそんなことを言わさない政治を今までしてこなかったのだ!」と言ったって、言われる方が可哀想です。でもどこかでガス抜きが必要だから、本来中国を批判したいけどできないから日本政府が責められて、内閣総辞職とかは起こりうるでしょうね。ただ政府が転覆することはないのではないでしょうか。日本の権力を本気で独占したがっている勢力というものもここウン十年は見かけないですしね。
いずれにしろ電気やガソリンの存在を前提に運営されてきた日本政府ですから、今までと同じ形で存続していけるわけがないのは間違いはありません。
南シナ海封鎖が起こってしまってもすぐに解除されるような抑止力、つまり軍事的な方策や安全保障についてはどうでしょうか。
今まで見てきたような経緯をたどって、日本の経済も国家も、予想外のスピードでガタガタになっていることが予想されます。そんな中で自衛隊は組織として活動できるのでしょうか?まず燃料がありません。指示系統の上流の意思決定もおぼつかないです。その通信手段すら怪しいです。
本来なら台湾有事をはじめとした中国の軍事的野望に対応するためにこそ日本は防衛費を増額しても自衛隊を強化しようとしてきたわけですが、こと南シナ海封鎖が起こってしまったならば、自衛隊は意味をなさないかもしれません。もちろん各地に駐屯する自衛隊員は国内各地域の問題解決には尽力してくれるでしょうが、ガソリンがないので重機を使うどころか長距離移動も出来ません。他国に働きかけるということは難しいかもしれませんね。
台湾有事の際には日本と共に台湾を防衛するんじゃないかという姿勢をとってきたアメリカはどうするでしょうか。
日本とアメリカは同盟国であり、東日本大震災の時にはトモダチ作戦と称して日米は緊密に連携してアメリカから迅速な援助を受けました。南シナ海が封鎖された際も、日本が食糧難・エネルギー難になったとなればアメリカは最初は援助することにやぶさかではないでしょう。けれどもまずは台湾の情勢が何より第一です。台湾が中国から攻められて今にも占領されようかという時におよんで、アメリカは日本人の空腹の心配はしてくれないでしょう。
そしてさらに深刻なのは南シナ海封鎖が長期に及んだ場合です。
日本は経済力もなくなり、外貨獲得の源であった貿易も出来なくなり。中国に対する軍事力の運用も維持も出来なくなったときに、それでもアメリカは日本を重要な同盟国として扱うでしょうか。人道的な意味での支援は続けてくれるかもしれませんが、日本という国全体が壊滅していく時にそれを食い止めることはどんな大国にも困難でしょう。
遠い将来、アラスカの原油とアメリカの米・小麦を輸入して、かなり経済規模が縮小した日本がアメリカの準パートナーくらいの扱いを受けて再生していくことはあり得るのかもしれませんが、それは数十年後の話だし、それまでに日本人の多くが餓死していても不思議ではありません。そしてそうなるまでに日本が中国の勢力圏に飲み込まれる可能性も当然あり得ます。
それでは国民生活がどのようになるかを検討してみます。
参考になるのは日本の昭和の戦中戦後の生活でしょう。
食料は足りずに配給制でした。南シナ海封鎖でも同様になるのではないかという予測は先述の通りです。
また物資徴収ということがありました。みんなが必要とする物資などを個人が私有している場合に、それを公共のために差し出させるという制度です。南シナ海封鎖に際しても当然それは検討されることになるでしょう。例えば餓死者が出ている状況なのに資産家が広い庭のある豪邸を所有して、それを独占していたら、政府がそれを召し上げてサツマイモ畑にするかもしれません。私有財産を認めない共産主義国である中国が引き起こした惨禍に対抗するためなのに、日本も私有財産の制限でのぞむしかなくなるのは歯がゆいところがありますよね。でもやむを得ないかもしれません。
さらに勤労奉仕ということがありました。軍隊に徴集されなかった人でも、呼び集められて公共のために働かされました。石油がない社会では、大きな事をしようとすると人海戦術しかありません。橋が落ちてしまった時に、ガソリンがなければ切り倒した大木を大勢の人で力を合わせて運ばないといけないこともあるでしょう。どこまで強制力を持たせるのか。人権意識や個人主義が発達した現代にそれが出来るのか?難しい問いですが避けては通れないポイントですね。人権意識が後退し、同町圧力が強まり、犯罪が増加するのは間違いないように思われます。
いずれにしても今まで続いてきた社会のあり方が根底から覆され、今までと同じ日本に戻るということはもう二度とないでしょう。
職業の数は減るでしょう。電気を使う仕事は全部なくなります。パソコンもなくなります・・・あれっ?でも、アフリカとかで、資源も外貨獲得手段がない国でもきっとスマホを使っていますよね。あの電気エネルギーはどうやって手に入れているのかな?ODAとかなのでしょうか。消費電力が低いスマホはあまりにも生産性が高いツールだから国費のほとんどを使ってでもそれを使える環境を維持しているのかもしれません。南シナ海が封鎖された日本でそれができるのかは謎です。そもそも日本が壊滅したら世界経済も崩壊寸前なはずで、日本を助ける国はないかもしれませんね。
ちなみに南シナ海封鎖で日本が壊滅するとき、同じ状況になるのが韓国です。そしてその次にダメージを受けるのが意外にも中国自身です。中国も物流は南シナ海に依存し、また中国の巨大経済はグローバル経済に完全に組み込まれているので南シナ海の物流が混乱すれば(例え自国の輸出入はできるようにしたとしても)非常な悪影響を受けます。だからこそ南シナ海封鎖なんて起きないだろうと楽観視する向きもあるのでしょうが、中国の現政権は政権基盤の維持以外には興味がない可能性もあります。ましてや南シナ海はどんな些細なことで起こるかわからないのです。
感染症対策で「船を通さない方がいいんじゃない?」と思いついた中国人がいたとしたら、日本人の政治家がそれを聞いた時に「これはまずい!」と即座に思えるかどうかは怪しい気がします。それなのに思いついた当人が「こんなことをしたら日韓を滅ぼして自国にも不利になる」とは思いは及ばないかもしれません。ましてや「なんとしても台湾を制圧しないといけない!」と思っているとしたなら余計に日韓の都合や自国への影響は考えないでしょう。
これまで見てきたように、南シナ海封鎖はとんでもない悲劇をもたらします。
ではそれに対してどのように備えればいいのか。
食料やエネルギーの備蓄を進めめればどうでしょうか。
食料やエネルギーをたくさん貯めていれば、備蓄がある間は持ちこたえることができます。
その間に封鎖解除に向けた働きかけや、輸入が途絶した社会デザインの再構築ができるかもしれません。
しかし備蓄で食いつないでいる間に南シナ海封鎖が解除されたらいいのですが、そうならない場合には結局は問題の先送りにすぎません。多くの専門家は、台湾有事が起きた際にはウクライナ紛争以上に戦況は膠着して長期化する見通しが高いと言っています。ひとたび封鎖されてしまった南シナ海は、そうそう簡単に航行再開できるようにはならない可能性が高いのです。食料やエネルギーの備蓄が大切なことはもちろんですが、それは悲劇がやってくるタイミングをずらせるだけで本質的な解決にはつながらないのです。
サプライチェーンの多様化をしておけばどうか。
日本が南シナ海を通って原油を運んでくるのは、中東産の原油が圧倒的に安いからです。
そのおかげで、日本は石油は安いという前提の上で経済も生活も成り立たせています。
ここで他地域の割高な石油も買えばどうでしょうか。国民は現在ただでさえ物価高に対する不満が噴出していて今までなかった極右政党が誕生するなどしている現状なので、さらなる物価高につながる施策は、いくら悲劇を回避するためとはいえ、不確実性に対する備えとして世論の支持を受けることは無く、あえて割高な石油を使おうとする企業も国民もいないでしょう。工業製品の製造についても同じで、別地域の高価格な石油のコストを商品価格に反映させないといけないとしたら、日本の製造業の国際競争力は落ちてしまいますが企業もそれは受け入れられないでしょう。
そして半導体です。半導体は日本の工業製品の部品として非常に重要ですが、その多くは台湾で作られています。南シナ海が封鎖されるような事態であれば、台湾と交易ができる可能性も低いでしょうから半導体不足が日本の首を絞めることは目に見えています。サプライチェーンを多様化しようにも他の場所では手に入らないのであればどうにもなりませんね。その意味では昨今日本が熊本や北海道で半導体製造を進めようとしていることは南シナ海封鎖に備える意味でも非常に意味があります。ただ台湾の半導体が輸入できなくなったときに、同時にガソリンも工業原料も輸入できなくなった日本がどれだけ代替機能を果たせるかは疑問がありますね。
代替航路を開発することはどうでしょうか。
南シナ海を通らないで物資を輸送するための航路を開発すること自体は可能です。ただそれにもやはり莫大なコストがかかります。今までなかった所に新しく航路を作るには大規模な港湾などを整備しなければなりません。遠回りすることになるので燃料代も人件費も船舶代も上がります。
現在ほとんどの船が南シナ海を通るのは、それが一番安いからなのです。新しく航路を開くのも大変だし、その航路を使わざるを得なくなったときには南シナ海航路と同じような低コストでは無理なので壁は厚いと言わざるを得ません。
先程のサプライチェーンの多角化の課題と全く同じ理屈ですが、南シナ海の封鎖は不確実性があって本当に起こるのかどうかは誰にもわからないことです。それに備えてお金をたくさん使いたい!と思える人が大多数にならない限りは平時から代替航路を開発しておくのは難しいのです。企業は株主から儲けることを求められているので、目の前の儲けに直結しない南シナ海対策にはなかなかお金は出せません。日本政府が後押ししようにも高齢者への予算が膨らんで財政への視線が厳しくなってきている現状では国民の支持は得にくいでしょう。
人口を減らすことは南シナ海封鎖への対策として有効でしょうか。
人を減らす、それはまさか殺すわけにもいかないし、また隣人愛に溢れる人が「私はいいから!みんなで私の分の食べ物を分けて!」と自死を選ぶのを肯定することも出来ませんよね。しかし現在少子化が進む日本では政府も地方も少子化対策にやっきになっています。南シナ海封鎖という空前絶後の危機を想定するときに、食料だけでなく肥料の輸入をも途絶えた日本の食料生産力に見合った適正人口が一体どれくらいなのかを想定することも大切かもしれません。そして今のうちから海外に出たいという人はどんどん送り出すのもいいかもしれません。いざ飢饉が起こって人減らしのために移民政策を推進したところで、経済力を失った日本人を移民として受け入れてくれる国はないかもしれません。一方、難民としてなら人道的観点から少人数なら受け入れてくれるかもしれませんが、例え何万人単位の日本人が国外脱出できたとしても、それでは一億二千万人が飢えていく状況に対しては焼け石に水でしょう。
平時から国民全体で危機感を共有して、議論を深めておくことはどうでしょうか。あらゆる輸入が途絶えたら自分たち一人一人にどんな影響があるか。どのように備えることができるか。日頃からか覚悟を決めておけば、いざとなった時に慌てずに適切な行動がとれるかもしれません。ぼくがこの文章を書いている理由の一つも、自分が知って驚いた南シナ海封鎖のことをみんな知っておいたらいいんじゃないかなと思ったこともあります。
非常時に個人の権利が制限されることをどこまで認めるかとか、どんな仕組みがあれば納得できるかとかは、議論ができるものなら深めておくのが一番だと思います。ただそれは非常に難しいかもしれません。選挙の候補者が「非常時に個人の権利を制限する方法を検討したい」とか言っても票にならないに決まっています。個人でもそんなことを周囲に言ったら面倒な人だと思われるかもしれません。それでも起こる可能性がある事なんだから、出来る限りの準備はしておいて、後から「想定外でした・・」と言わずに済むようにしたいですね。
ただどんなに知識を深めても議論をしても、食料と資源その他が来なくなったら今の人口が生き続けていくのが大変だという厳然たる事実は変わらないです。
中国に対して「南シナ海を封鎖することは、日本壊滅に直結するから許さない!」と宣言するのはどうでしょうか。日本は中国の南シナ海の基地建設や領空侵犯などに対して「国際法にのっとった行動を!」「自由で開かれたインド太平洋を!」「武力による現状変更は許さない!」など、一般論でしか抗議していません。それは正論なのでどこの国からも抗議は来ないでしょう。具体的にはアメリカも賛同してくれるお題目ではあるでしょう。しかし日本が本当に言いたいことは「南シナ海封鎖は困る!」なのです。まあそう言いだした途端に日本の発言は「全人類の共感を得られる普遍的価値観の追求」から「誰でもそれぞれいろいろ言っているどこにでもよくある自己主張の一つ」に成り下がってしまいます。それは説得力がなくなる、だから日本はそんなことは言わない、のでしょうか・・・?けれども日本がきれいごとしか言わずに何を本当に守りたいと思っているのかを伝えなければ、中国は軽率に思い付きで南シナ海封鎖をしてしまうんじゃないかと危惧します。いい子ぶらないで、なりふり構わず伝えるのも一つの手ではないのでしょうか。でも「南シナ海封鎖は許さない!」といえば中国は「内政干渉をするな!」とかえって態度を硬直させるかもしれませんね。また「フムフムそこが日本の弱点なのね」と逆に付け入ろうとするかもしれません。日本国憲法には「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」という一文がありますが、国際関係はなかなか理想通りにはいかないものなのかもしれません。
一部の人の意見では、中国の横暴を許さない方策として「そんなことをしたらただじゃおかないぞ!」と言えるだけの実力を持つために、日本が過去に閣議決定した非核三原則を見直してアメリカに対して「あなたが持っている核兵器を日本に配備してください」と頼めばいいという考えもあるそうです。中国の軍事力がここまで強くなっている現在ではそこまでしなければアジアの平和は保てないのかもしれませんね。
今日は長々と南シナ海封鎖について書いてきました(すごい時間がかかった)。
そういう事が一定の割合で起こりうるということを頭に置いて、日々繰り返されていく永遠に続くんじゃないかと錯覚しがちな日常生活を送っていこうと思います。
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